秋になったとたん、なぜか食欲が止まらない。
夏はあんなに食欲がなくて、そうめんばかり食べていたのに。涼しくなった今は、夕飯を食べ終わってしばらくすると「なんか物足りないな」と思って、気づけばお菓子の袋に手が伸びている。しかも一枚では止まらなくて、袋の底が見えて初めてハッとする。
私も毎年これを繰り返していました。「食欲の秋だから仕方ないよね」と自分に言い訳しながら、10月に体重計に乗って青ざめる。その繰り返しです。
でも元セラピストとして体のことを勉強していく中で、秋の食欲にはちゃんと理由があると知りました。理由がわかると、我慢ではなく仕組みで対処できます。今日は、私が夜のドカ食いから抜け出せた3つの習慣をお話しします。
なぜ秋になると食欲が止まらなくなるの?

意志が弱いせいだと思っていたのですが、体の側にも事情がありました。
1. 日照時間が短くなって「セロトニン」が減るから
秋分を過ぎると、日に日に日が暮れるのが早くなります。私たちの体は日光を浴びることで、気持ちを安定させる「セロトニン」という物質をつくっています。日照時間が減ると、このセロトニンも減りやすくなります。
そしてセロトニンの材料になるのが、甘いものや炭水化物。つまり秋に甘いものが欲しくなるのは、体が足りない分を食べもので補おうとしているサインなんですね。
2. 涼しくなって基礎代謝が上がるから
気温が下がると、体は体温を保つためにエネルギーを多く使います。その分、単純にお腹がすきやすくなります。これは自然な反応なので、悪いことではありません。
3. 夏の疲れが残っていて、睡眠が浅いから
寝不足が続くと、食欲を抑えるホルモン(レプチン)が減って、食欲を増やすホルモン(グレリン)が増えることがわかっています。夏バテを引きずったまま秋に入ると、この状態になりやすいのです。
夜のドカ食いが止まらなかった頃の私
一番ひどかったのは、コールセンターの仕事から帰ってきた日でした。
一日中クレーム対応が続いた日は、帰り道のコンビニで「今日はがんばったから」と大きい袋のチョコを買ってしまう。家で夕飯を食べたあと、テレビを見ながらそれを開けて、気づいたら半分以上なくなっている。
そのあとに来るのは、満足感ではなく罪悪感でした。お腹は苦しいし、翌朝は胃がもたれて朝ごはんが入らない。それなのに昼にはまたお腹がすいて、同じことを繰り返す。
問題は「食べたこと」ではなく、無意識に食べていたことだったと、今ならわかります。
私が変えた3つの習慣
我慢はしていません。むしろ「食べていい」前提で組み立てたら、勝手に量が減りました。
習慣1:朝、5分だけ外の光を浴びる
セロトニンは朝の光でつくられます。私はゴミ出しのついでにベランダに出て、5分だけぼんやり空を見るようにしました。曇りの日でも室内よりずっと明るいので効果があります。
これを2週間続けたころ、夕方の「甘いもの欲しい」がふっと軽くなったのを感じました。しかも朝に光を浴びると夜の寝つきもよくなるので、3番目の原因にも同時に効いてくれます。
習慣2:夕飯の最初にあたたかい汁物を飲む
これは即効性がありました。冷たいものではなく、あたたかい味噌汁やスープを最初に飲むと、胃がゆっくり動き出して、食べるスピードが自然に落ちます。
満腹のサインが脳に届くまでには15〜20分かかると言われています。最初の一口を汁物にするだけで、この時間差を味方につけられるんですね。具はきのこや根菜など、秋のものを入れると満足感が上がります。
習慣3:おやつを「袋のまま」食べない
一番効いたのは、じつはこれでした。
袋から直接食べると、どれだけ食べたかわからなくなります。私は小皿に出すようにしました。それだけです。でも小皿に出すという一手間が挟まるだけで、「もう一回出しに行くのは面倒だな」と思う瞬間が生まれます。
その一瞬の間が、ドカ食いのスイッチを切ってくれました。
それでも食べたい夜のために、選ぶものを変えた
秋の夜に何かつまみたくなるのは自然なことなので、私は「食べないようにする」のをやめて、食べるものの中身を変えることにしました。
今、家に常備しているのは高カカオのチョコレートと素焼きのミックスナッツです。
高カカオチョコは甘さが控えめなぶん、一枚でしっかり満足できます。板チョコを半分食べていた頃とくらべて、明らかに手が止まるのが早くなりました。ナッツは噛みごたえがあるので、少量でも「食べた」という実感が残ります。
正直なことを言うと、どちらも甘いお菓子ほどの多幸感はありません。最初の数日は物足りなく感じると思います。でも1週間もすると舌が慣れて、逆に前のチョコが甘すぎると感じるようになりました。ナッツは食べすぎるとカロリーは高いので、小皿に一掴みまでと決めています。
まとめ
秋の食欲は、意志が弱いから起きるものではありません。日照時間・気温・睡眠という、体の側の事情があります。だから責めるより、仕組みで整えたほうがずっとラクです。
- 朝5分、外の光を浴びてセロトニンを補う
- 夕飯の最初にあたたかい汁物を飲んで、食べるスピードを落とす
- おやつは袋のままではなく小皿に出す
- それでも食べたい夜は、高カカオチョコやナッツに置き換える
全部やらなくて大丈夫です。まずは小皿に出す、の1つだけでも変わります。
秋の不調は食欲だけではありません。だるさが抜けないと感じている方は涼しくなってもだるいまま…その不調、秋バテかもしれませんも読んでみてください。お腹の調子から整えたい方にはオリゴ糖を朝のヨーグルトに足したら、夕方のお腹の張りから解放された話が参考になると思います。
今年の秋は、罪悪感なく美味しいものを楽しみたいですね。

